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旧別子探訪

2010/11/06

金鍋抗について文献の中から 紹介します。
金鍋抗は「源兵衛鋪」伝説にもまつわる古い坑口で
今回は所在についての文献だけにとどめる。

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山村文化12号の45ページから
別子銅山の遺跡9 金鍋坑 について
高橋幹氏が寄稿している 

「別子銅山に「源兵衛鋪」と云う伝説がある。」
から始まる文章は私を魅了して止まない


奥窯谷入口から谷沿いの道(各所で崩壊している)を
行くと、標高1200m付近に大規模な住居跡があ
り、そこから東の方に向ってトロッコ道かと思われる様
な広い水平な道が続いている。これらの遺構は金鍋開坑
の時につくられたものであろう。金鍋坑はこの住居跡の
更に上流のズリの上部にある。緑色片岩の岩盤に高さ
1.7m、幅2mの大きな坑口が今も当時のま
まの姿で残されている。内部にはトロッコのための枕木
が敷かれており、当時の盛況が偲ばれる。
ここから金鍋越に行く途中、各所に古道と思われる道
跡が残されている。天保11年(1840年)に作成さ
れた「別子御銅山絵図」には勘場に近い見花谷(絵図で
は喧嘩谷)付近から西に向って道が描かれており、そこ
に「杖立江」(現在の土山越)と書かれていることから、
すでにその当時から勘場より金鍋坑付近を通り、金鍋越
に通じる道があったのだろう。金鍋坑の開坑は昭和に入っ
てからだが、露頭の存在はずっと古くから知られていた
のではあるまいか。ちなみに「伊予路の歴史と伝説」で
は、源兵衛は元禄4年の別子開坑時に、備中の吉岡銅山
からやって来たことになっている。
記録によれば、金鍋坑は樋押し坑道(鉱脈の走向に沿っ
て拓かれた坑道)で総延長は317メートル、鉱脈の幅
は3〜10cm 平均4cm、局所
的には20cmになる所もあると云う。銅品
位は4〜15%と極めて高品位であった。
ただ史料の上で、金鍋坑において採鉱が行われたと云う
記録は見出せない。探鉱にのみ終ったと考えるのが妥当
かもしれない。

平成10年8月発行

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山村文化34号29ページ
源兵衛鋪
伊藤玉男氏の寄稿です。

第一通洞南口の下方で鉄のパイプを並
べた通称鉄管橋がある。そのすぐ先で左
手(西方)へ分岐した谷を奥窯谷と言い、
小さい谷が上流の方は金鍋谷と呼ぶ。そ
の更に上流でもう分水嶺に近い高さの斜
面に旧坑が二つ口を開けていた(実際は
更の下方の谷間にも坑道があるが確認で
きない)。下の方は普通の坑道で新しく掘ったものだが、
上の方の旧坑は一まわり小さいものだった。坑道延長は
どのくらいあったか記憶にないが、上下とも樋押坑道に
なっていたので何個所かでサンプルを採り分析してみる
と、上の坑道の分では銅の含有率が十五・六%もの高品
位の部分があって菜種鈷とでも言えそうな良質なもので
あった。ただし、それは局部的で大半は五%程度あるい
は、それ以下で、しかも脈幅(厚さ)が五p以下と薄層
であったから、今日的には採掘の対象になり得るもので
はなかった。

平成16年6月発行

金鍋抗は見つけるのが厄介な抗口です。今回はこの金鍋抗に挑戦です。

歩いたルートをgoogle マップ
で作成しました。

同じく 地図上に標高も
記入しました。

古地図です。左下に金鍋抗の文字が見えます。

黒川さんから金鍋抗に行き方のメールを頂きました。
「金鍋坑ですが、大山積神社へ行く道筋の沢に架
かった橋の手前に36番鉄塔への標識があります。
そこを鉄塔まで登り、尾根づたいに1300m付近まで
登って南へ移動すると平らな場所に着いて石垣が
見えてきます。
ここから金鍋坑までは赤いテープが木に巻きつけて
あるので道なりです。」
それと左記の地図を添付していただきました。

歩いた歩数

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佐賀県から来た団体さんと同着でした。
その他 高知 徳山 広島 香川 ナンバーの
車が並んでいます。
8時12分駐車場出発です。
お天気も良く 気温は13度 少し肌寒い気温です。

9時にダイヤモンド水に到着
バーガーとコーヒーで モーニングタイム


9時17分 パイプ橋に到着 佐賀の団体さんは
西赤石に行きました。

ここから橋を渡らず10mぐらい進むと
住友共竃の36番鉄塔に行く分岐点があります
矢印の方向に進みます。

道なりに登ると15分ぐらいで分岐の案内ポストがあり 谷の方に進みます  

谷を渡ります  気をつけて

急坂を登りきると 
9:55 鉄塔が見えてきました
鉄塔は見晴らしが良いので 休憩ポイントです
縁起の端に佐賀の団体さんが見えます
パイプ橋から鉄塔まで 40分ぐらいです
標高 1176m

鉄塔からのパノラマです

鉄塔から上は藪です。道はありません。
さて 何処から入ったら良いものか ウロウロして
赤いテープを探すが何処にもない。
仕方なく藪の中に踏み入れる。

「痛い」「イタイ」と言いながら
道なき藪の中を15分あまり高度にして90mぐらい登ると
植物の生えていない所に出る。
いままで藪だったのがウソのように小石がゴロゴロしている

--------------------------------- 土壌葡行 -------------------------------------------------

伊藤玉男氏の著書で「あかがねの峰新版」の167ページに
「土壌葡行といって表土そのものが徐々に移動するという現象だ
極相のところで、凍結・融解を繰り返して地表に
出てきた石片は、霜柱の影響を受けて斜面を移動する」
とある ここがそうだろうか?

この石地の登りきる少し手前に人口石がある
よく見ると「住友のマーク」が入っている。
このあたりに何か施設があったのだろうか。
地図には何も記載されていません
標高は1313m

よく見ると松の根がむき出しになっている。 「土壌葡行」の現象?  この冬 越せるのだろうか?

このツツジもずり落ちてきた石に押しつぶされそうです。      この木も もう押しつぶされそうです
「土壌葡行」と言う現象でここは植物が育たないのだろうか。

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地図で もう少し西南に等高線上にはコの字マークがある。

10:50 一息入れて出発です。
ここから 金鍋抗までは ほぼ水平に移動です。

---------------------------------- 火薬庫 ------------------------------------------------

10:53 待望の赤いビニールテープ発見 
やった!!道だ!! と思ったのですが あったのはこのひとつだけ
登らなくていいのだから楽だろうと思っていたら・・・・

これまた 藪です。

11:00 石垣に到着
標高 1310m
よく観察してみると 銅山峰の「火薬庫」とそっくりな
石垣の配置です。
周囲を1mぐらいの高さの石垣をめぐらし
下流に向けて出入り口があり 石垣の中央部分に
一段高く石積みがある。
大きさは銅山峰のほうが少し大きいかも知れない。

11:20 石垣跡(火薬庫)を出発 目印の赤いテープは 木から落ちている 小さな谷を越えると 程なく ズリ が見えてくる。

----------------------------------- 金鍋抗 -----------------------------------------------

11:20 火薬庫を出発 
目印の赤いテープは 木から落ちている
小さな谷を越えて 
11:26 石の小山が見えた。間符の入り口付近に
不要な石を捨てたものだ。大黒間符などがそうだった。

程なく 金鍋抗の坑口が見えた。
難易度の高い坑口だ
坑口の周りに石積などはなく 掘りっぱなしだ。

中もよく見える。枕木のような
木も見えるが覗くだけで 
入っていく勇気はない。
入り口からすぐに 
左に入り込むように掘られている。
標高は1308m 
予定どうりの標高です。

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3つある抗口の もう1つを見つけようと
金鍋抗からズリを下った。谷ぞいに1247mまで
丹念に目を凝らしながら降りていったが
抗口らしきものは見当たらなかった。

50m余り下ったところであきらめて
旧抗探しになる。
金鍋抗の西の谷を越えて尾根づたいに登る。

レールを発見 このあたりか?
レールなら旧抗ではない。
丹念に調べたが分からない
あきらめて お弁当にする

途中 自分の居場所を見失って 適当に歩いていると
峠に出た。自分では西山の近くと思っていた。

途中 自分の居場所を見失って 適当に歩いていると
峠に出た。自分では西山の近くと思っていた。

西山はまだ行った事がないので 行ってみることにした

銅山峰のパノラマ

15:25 駐車場に着いた
歩数計は 22950でした

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